平成二十一年 師走 吉日
紅葉も散り、冬本番の季節になりました。
先日、神戸ルミナリエに行ってまいりました。大学時代に三重県から西宮市に出てきて初めてルミナリエを見て、その光の美しさにとても感動し、それからは毎年足を運んでいます。
ルミナリエは阪神・淡路大震災の年より開催され、今年で15回目だそうです。震災の犠牲者の鎮魂の意を込め、神戸の復活・再生の夢と希望を託して開催されたこのルミナリエですが、今年は、私はまた新たな思い入れがあります。

それは新型インフルエンザが神戸で発症し、一時神戸の町が静まり返ってしまったことです。ニュースが流れた途端、有馬でもキャンセルが相次ぎ、お客様が激減してとても寂しい思いをしました。
最近ではお客様よりインフルエンザ騒ぎについてお気遣いや温かいお言葉をかけて頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。お客様がいらっしゃってこその有馬温泉だというのをひしひしと感じております。
神戸ルミナリエは平日にも関わらずたくさんの客足で賑わっておりました。毎年変わる光の芸術はとても美しく、それに魅了される皆さんの顔もキラキラ輝いているように見えました。しかし、それでも資金面で今後開催していくのが困難な状況になっているそうです。
私はルミナリエを見るたびに震災の事を思い出し、毎年開催して欲しいと強く願っています。神戸は古からの歴史があり、そして市民の団結力・活気のある素晴らしい地です。そんな神戸が大好きで、私は大学卒業後の今もこの地に暮らしています。
今年、新たな思いも加わって、来年の神戸ルミナリエの開催も心待ちにしています。
平成二十一年 神無月 吉日
日に日に寒くなり、有馬の山々が色づいてまいりました。
先日、二日間にわたって当館恒例の“月見の宴”というイベントが催されました。
このイベントは姉妹館である有馬グランドホテルの敷地内にある雅中庵というお茶室で、普段とは違う雰囲気でお料理を楽しむというものです。お食事の後は津軽三味線のコンサートが開かれ、立礼席に響く迫力のある三味線の音色に魅了されました。

この度は天候が思わしくなく、夕方までお月様の姿が見られませんでした。お客様と「お月様が見れたらいいね。」とお話しながらも和やかに宴を楽しみました。私自身、初めて月見の宴に参加させて頂き、「皆様と一緒にぜひとも美しいお月様を拝みたい!」と意気込んでおりましたので最後までお月様がお顔を見せてくれることを祈っていました。
宴、コンサートも終わり、お客様が雅中庵を出る頃に空を見上げると、思いが空に通じたのか、嬉しいことにおぼろ月ながらもお月様を拝見することが出来ました。きれいには見えなかったものの、「おぼろ月夜もとても趣深いね。」とおっしゃって下さったお客様もいらっしゃり、その方のお心の豊かさに感動致しました。最後の最後にお月様がお顔を見せてくれた事に皆様と喜び合い、私の初めての月見の宴は大変嬉しい思い出になりました。
来年の月見の宴ではどのようなお月様が眺められるのか、今からとても楽しみにしております。来年もたくさんのお客様にご参加頂けましたら幸いでございます。
有馬はこれから紅葉のとてもきれいな季節です。紅葉を楽しみにしておられます皆様とのお出会いを心よりお待ち申し上げております。
平成二十一年 葉月 吉日
有馬でも蝉の声が聞こえるようになり暑い日が続いておりますが、、皆様におかれましては体調など崩されてはおられませんでしょうか。
私事でございますが、先日当館で学生時代の恩師と偶然再会致しました。先生はお客様としていらっしゃったのですが、長い間も連絡を取っておらず、現在私が当館で働いていることも報告しておりませんでした。会った瞬間、先生に気付いて頂き、学生時代が一気に蘇りました。このような事は以前にもあり、この仕事に就いているとたくさんのご縁に恵まれます。多くのお客様とめぐり合える事、再会の時にお互いの元気な姿を喜び合える事、全て健康な体があってのこととつくづく実感させられます。

先日、七夕に女性の日のイベントが行われ、たくさんのお客様にお越しいただきました。皆様には、七夕にちなんでお願い事を短冊に書いていただき、飾り付けを致しました。様々なお願い事の中でも一番多かったのがやはり「健康であること」でございました。私も元気で日々暮らせることにはいつも感謝しています。皆様のお願い事が笹の葉とゆられ、天に届きましたことをお祈り申し上げます。
さて、毎回ご好評頂いております「女性の日」のイベントでございますが、9月9日の重陽の節句の日にも開催させて頂く運びとなりました。次回も皆様にお楽しみ頂けますようイベントもご用意致しておりますので、ぜひ次回もご参加いただけましたら幸いでございます。当館にてごゆっくりお過ごし頂き夏のお疲れを癒していただけたらと存じます。初秋に元気な笑顔で皆様にお会いできます事を楽しみに致しております。
私自身も元気に皆様のお出迎えができます様、健康に気を配って努めてまいります。
まだまだ暑さが厳しくなってまいりますので、皆様くれぐれもお身体ご自愛下さい。
平成二十一年 卯月 吉日
花の便りもしきりの今日このごろでございます。
先日、当館の中庭にございます桜も満開を迎えたと思いきや、ふと目をやると風に吹かれてもう散り始めていました。桜は本当に期間限定、儚いものですね。桜の木の横には小さなお稲荷さんがございます。静かにたたずむこのお稲荷さんは毎日私たちを見守っていて下さり、先代の若女将の意向を受け継いで私も毎日お参りしております。

桜を近くで眺めようと中庭に足を向けると、お稲荷さんが桜の花びらのやわらかなシャワーを浴びており、その姿はなんとも趣のあるものに感じました。花が散るのは寂しい気もしますが、それさえも美しく感じさせるのは、毎年人々の心を豊かにしてくれる、これぞ桜の魅力なのでしょう。お稲荷さんもこの贅沢なシャワーを浴び、麗らかな春を楽しんでおられるように思えます。
春は桜だけではございません。敷地内にもたくさん草花が芽吹き、その景色に心が弾みます。
美しい花を愛でながら中の坊瑞苑の自然もお稲荷さんに守られているのだと感謝しております。
中の坊瑞苑にお越しの際はぜひ、中庭もご散策下さい。
平成二十一年 如月 吉日
立春が過ぎ、暦の上ではもう春でございます。相変わらず寒い日が続きますが、館内に差し込む陽の光はやわらかく春が少しずつ近づいていることを感じさせられます。
先日、中の坊瑞苑ではひな人形を飾りました。立春の午前中に七段飾りのひな人形を飾り終えるとロビーがぱっと華やかになり、早速お客様から興味を持っていただきました。実は昨年までとはひな人形が交代しております。

今まで(とある旧家のごく普通の家庭で)お嬢様の成長を温かく見守ってきたひな人形たちですが、今年は広いロビーで多くのお客様からの注目の的となり驚いているかもしれません。しかし、お客様の和やかな表情になぐさめられて、ひな人形たちもきっと新鮮な気持ちでお客様をお迎えしていることと思います。
桃の節句まで、ご来館賜りました皆様に今年のひな飾りをお楽しみいただけましたら大変嬉しゅうございます。その頃には今より気温も和らぎ、ひな人形たちも春のおとずれに喜びを感じていることでしょう。(昨年までつとめてくれたひな人形のことでございますか?実は、このたび寿退社しましたフロントスタッフについて行ったようでございます。幸多かれと祈っております。)
平成二十一年 睦月 吉日
初めまして。
このたび、若女将日記を引継ぐことになりました、若女将見習いの瀬戸麻佑子と申します。この日記を通して、中の坊瑞苑の情報や有馬の四季を発信していければと思っております。まだまだ不慣れな私ではございますが、これからもどうぞよろしくお願い致します。



